母娘、夫婦、姉妹、友人……
◉いつかのことをあの人に謝りたい。
◉私を傷つけたあの人に謝ってほしい。
◉『ごめんなさい』とは言われたが、謝られた気がしない(むしろ余計イラっとした)。
こんな気持ちを抱えたままで苦しんでいませんか?
「ごめんなさい、でも……」
「不快にさせてしまったのなら、ごめんなさい」
「怒らせてしまって、ごめんなさい」
そんな謝っているようで謝っていない謝罪が、どこの世界にもあふれています。
人間関係の悩みは、「謝罪と許し」という視点から解決の糸口が見つかります。
"本物の謝罪には強い癒しの力がある"
"ネガティブな感情の苦しみから自分を解放するために、自分を傷つけた相手を許す必要はない"
by ハリエット・レーナー
はじめに
CHAPTER01 「ごめんなさい」にもいろいろある
・【簡単】人間関係をスムーズにする謝罪未満の「ごめんなさい」
・【ふつう】悔やんでいることについての「ごめんなさい」
・【難しい】過去を蒸し返し、相手の人生に立ち入る「ごめんなさい」
CHAPTER02 人をいらつかせる謝り方
・【その1】言い訳の畳みかけ
・【その2】お気持ちに気づかなかったアピール
・【その3】自分は悪くない可能性を含ませる
・【その4】謝罪の対象がずれている
・【その5】許してもらおうとする
CHAPTER03 関係を壊してしまう謝罪
・涙が逆効果になるとき
・「埋め合わせ」の大切さ
・不足のない謝罪とは
CHAPTER04 批判を受けているときの対応を考える
・〝謝罪もどき〟は事態の悪化を招く
・批判を受け入れる意思表示の方法
・相手の言い分に納得がいかない場合
・自己防衛に走ったと思われないための12のアドバイス
CHAPTER05 謝らない人々の知られざる生態
・家族の影響
・「本物の男は謝らない」というジェンダーロール
・完璧主義という問題
・自尊心が低いがための自己防衛
・「恥ずかしさ」が邪魔をする
・良心の呵責が感じられない人たち
・自身の過去に責任をなすりつける
・謝らない人へのアプローチ
CHAPTER06 謝罪を導く立ち回り方
・【その1】紛れもない事実だけを伝える
・【その2】罪を憎んで人を憎まず
・【その3】批判の矛先はひとつに
・【その4】しゃべりすぎない
・【その5】感情の爆発が思わぬ突破口になる
・【その6】恥をかかせてはいけない
・責任範囲の混乱という厄介な問題に取り組む
・【その7】謝罪を強要してはいけない
CHAPTER07 謝罪を受け入れるということ
・「謝ってくれてありがとう」と言おう
・自分の子どもに謝り方を教えるには
・他人の謝罪を細かく分析してはいけない
・謝罪を示す方法は言葉だけではない
・謝罪を受け入れることと和解することは違う
・「あなたの謝罪は受け入れられません」と言う勇気
・姿勢は寛大すぎるくらいに
CHAPTER08 こじれたふたり――先に謝るべきなのはそっちでしょう?
・喧嘩のはじまりはどこにあるのか
・責めてくる人への正しい対応
・我慢できる限界を伝える
・ふたりの「違い」を尊重する
・最初は見せかけの謝罪でもよい
・解決にスピードは必要ない
CHAPTER09 勇気ある謝罪――母を許せない娘と娘に謝りたい母の事例から
・あえて触れないという優しさ
・どんな会話も無駄にならない
CHAPTER10 〝許す〟ということ
・「許したい」という言葉の本意
・許すと手放す――禅の逸話より
・〝許した〟とはどんな状態か
・傷ついた側の人が必要とする言葉
・〝許す〟のグラデーション
・許すことを知らない根に持つ人々
・許せないことを悩まないで
CHAPTER11 心の平和を見つけるには
・ものごとを個人的な因果関係に落とし込まない
・傷ついた側が、傷つけた側を理解しようとする苦しみ
・精神科診断の功罪
・怒りにしがみつくほうが楽という矛盾
・なぜ別れた相手を憎むのをやめられないのか
・許す以外の道
CHAPTER12 「ごめんなさい」の先にあるもの
・謝らないことが招く悲劇
・修復を求める謝罪・求めない謝罪
・謝罪と愛
謝辞
原注
ハリエット レーナー
女性と家族関係の心理学を専門とする、米国内でもっとも愛され、尊敬を集める人間関係のエキスパート。心理学者として20年以上にわたりメニンガー・クリニックに勤務し、現在は、個人で開業している。ニューヨークタイムズ・ベストセラーとなった『The Dance of Anger』(邦訳『怒りのダンス』誠信書房)をはじめとする著書は、世界で300万部以上売り上げている。夫とともにカンザス州ローレンス在住。大きくなった2人の息子がいる。
吉井 智津
翻訳者。神戸市外国語大学英米学科卒業。訳書に『大脱走 英雄〈ビッグX〉の生涯』(小学館文庫)、『インビジブル・インフルエンス』(小社)、『小さなモネーアイリス・グレースー自閉症の症状と子猫の奇跡』(辰巳出版)ほか。