発達段階をベースにしたユーススポーツ×子育てガイド
米国第一人者の集大成、ついに邦訳!
・期待のかけ方
・「やめたい」と言われたら
・感情のコントロール
・体型コンプレックス
・人間関係
など、すべての競技に共通して言える「子どもの心と身体を守る」親のかかわりを、発達段階別(第1部)、悩ましいトピック別(第2部)に解説します。
スポーツに真剣だからこそ、スポーツが我が子にとって幸せなものであるために。
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スポーツは、子どもの心身の成長や頭脳の発達につながる
魅力的な活動であることには間違いありません。
しかし、人格はスポーツが形成するのではありません。人が育むのです。
(本書より)
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【本書に登場するケーススタディ一覧】※年齢順
・頑なにプールを拒み、家族の楽しみに水を差すブライアン(2歳)
・乱暴なふるまいがエスカレートするタイラー(4歳)
・練習に行きたくない……内気なウェンディ(5歳)
・コーチでもある父親に萎縮するジェイソン(7歳)
・スポーツが苦手で友達の輪に入れないアンソニー(8歳)
・自分の競技のことで両親の不和を招いてしまっているダレン(8歳)
・絶対に勝ちたい。失敗のたび暴言が出るキャリー(9歳)
・新しいチームで意地悪されているサシ(9歳)
・テディ(10歳)のコーチ:「練習を休んだら試合に出さない」
・親の口出しに振り回されるパトリック(11歳)
・コーチの言動から試合が怖くなってしまったマーヴィン(11歳)
・学業重視の両親に試合を欠場させられたネリー(12歳)
・初めての挫折で部屋にこもるアレックス(14歳)
・自分の競技が好きじゃないことに気づいたマリア(14歳)
・自己イメージの低さから脱するためにステロイドに手を出したアダム(14歳)
・仲間はずれを恐れて、実力を出せないサンディ(15歳)
・運動能力抜群の母親と妹に劣等感を抱くホリー(15歳)
・心身ともに悪条件から脱したレベッカ(高校1年生)
・試合相手に殴りかかってしまったザック(16歳)
・疲労骨折から摂食障害が発覚したアマンダ(16歳)
・成功している母親と自分を比べてしまうサラ(17歳)
・親の善意のサポートが負担になっているローリー(17歳)
・急に競技をやめ、演劇をやると言い出したデイビッド(18歳)
・大学選抜チーム入りするも他競技へ転向を決めたショーン(大学1年生)
・家庭の問題とコーチの叱責。重なるストレスで限界のシンディ(大学2年生)
・薬物かスポーツか。選択を迫られるケニー(大学2年生)
・オリンピックか引退か。3度目のリハビリに心が折れかけているモリー(21歳)
はじめに
日本語版に寄せて
序章 スポーツの上達よりも大切なこと
【第1部 発達段階で見る 心と身体の成長とスポーツ】
第1章 子どものスポーツ環境を整える
第2章 幼少期(1〜5歳)ーー安全にスポーツを楽しむ
第3章 学童期(6〜12歳)ーー興味のあることを探し、友達をつくる
第4章 青年期(13〜18歳)ーー個性の発達、自立心の芽生え、達成感
第5章 若年成人期(20歳前後)ーー自身の将来とスポーツ
【第2部 保護者の悩みから見る 子育てにおけるスポーツ】
第6章 子どもにはどこまでプレッシャーをかけるべき?
第7章 子どもの運動能力や興味が、親の期待と異なるとき
第8章 男子と女子ーースポーツでの共通点と相違点
第9章 親も子も感情的になってしまうーー熱心さゆえの怒りをどうするか
第10章 子どもが「やめたい」と言ってきたら
第11章 コーチを見極める
第12章 所属するチームを見極める
第13章 摂食障害・サプリメント使用とボディイメージ
第14章 集中できない状態から抜け出す
スポーツに関わる親子のためのFAQ
リチャード・D・ギンズバーグ/著
ハーバード・メディカルスクール助教授、マサチューセッツ総合病院(MGH)の臨床心理士。スポーツ臨床心理士として幅広い年代の診療に当たるかたわら、全米各地で、ユースから大学までさまざまなスポーツプログラムに向けて講演・相談活動を行う。過去には、ハーバード大学の男子ラクロス、女子サッカー、男女水球、女子アイスホッケー、U16とU17のアメリカ女子サッカー代表、アメリカ女子プロサッカーのボストン・ブレイカーズのスポーツカウンセリングも担当している。
ステファン・A・デュラント/著
臨床心理士。ハーバード・メディカルスクール精神医学部助教授。マサチューセッツ総合病院(MGH)の児童精神科外来に勤務。1988年以来行っていた数々の臨床活動を通じて、幼年期・青年期・成人期のスポーツや人格形成などに関する研究にも勤しんでいる。MGH医療チームの一員として、ボストン・レッドソックスやアメリカのプロアイスホッケーのボストン・ブルーインズのケアにも当たっている。
エイミー・バルツェル/著
ボート競技の元オリンピック選手。世界最高峰のヨットレース、アメカズカップの出場経験も持つ。専門はスポーツ心理学。AASP(応用スポーツ心理学会)認定カウンセラー。ボストン大学大学院ほか、2006年の春にはハーバード大学で教鞭をとる。大学アスリート、オリンピック選手、プロに至るまであらゆるレベルの競技者に対する個別カウンセリングや、各種スポーツチームへのワークショップなども提供している。
来住 道子/訳
翻訳家。スポーツ書籍、歴史書、児童書などを中心とした翻訳に携わる。訳書に『1964ー日本が最高に輝いた年 敗戦から奇跡の復興を遂げた日本を映し出す東京オリンピック』(文芸社)、『1968 世界が揺れた年』(ソニー・マガジンズ)、『アンネ・フランク 日記とともに生きつづける少女』『ナイチンゲール 人につくす喜びこそ生きる喜び』(国土社)、『シドニーの選択』(そうえん社)などがある。
谷口 輝世子/監修
1971年生まれ。京都教育大学教育学部体育学科卒。1994年、デイリースポーツ社に入社しプロ野球を担当。1998年から米国に拠点を移し、主にメジャーリーグなどを取材。2000年からフリーランスとして活動している。著書に『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)、『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのかー米国発スポーツペアレンティングのすすめ』(生活書院)、『運動部活動の理論と実践』(共著、大修館書店)など。