モバイル決済業界で革命を起こし続けたSquareの創業者が教える勝者の法則!
ビジネスを成功させるためには、一つのイノベーションだけではなく、いくつものイノベーションの積み重ね――イノベーションスタックが鍵になる。本書ではスクエアだけでなく、バンク・オブ・アメリカ、イケア、サウスウエスト航空のイノベーションスタックも解説。一連のイノベーションを完成させた企業は、その市場で世界最大になる!!
アマゾンと対決したなんて言える人物がいるだろうか――しかも勝ったなんて? ジム・マッケルヴィーはそれができる。本書はその方法を語る。
――ピーター・ティール(起業家・投資家)
解決したい問題があって、それを既存の方法のコピーでは解決できないとき、ほとんど他に道がないから仕方なく自分で創るのがイノベーションだ。そしてそれは、単発の思いつき、ではない。一つのイノベーションは、他のところに無理や課題を引き起こす。そしてそれを解決するためには、また別のイノベーションも必要となる。それがまた生み出す課題のために、さらなるイノベーションが……気がつくと、無数のイノベーションが絡み合っている。どれか一つだけ真似しても意味がない。その数多くの仕組みすべてのまとまりが価値を持つ。
これが彼の述べる、イノベーションスタックとなる。それが製品やサービスの価値を創り、アマゾンすら撃退できる強さを生む!
――訳者解説より
はじめに
第1部 完璧な問題を解決する ︱ スクエア社の物語
第1章 起業家と完璧な問題
正しい言葉/完璧な問題/城壁都市/起業家とビジネスパーソン
第2章 ボブとピラミッドたち
ジャック登場/冬のブレーンストーミング/汚いお金/ちょっとした犯罪/自白/大
規模犯罪/ボブ登場/目に見えない犯罪
第3章 筋を通す
市場の果て/スクエア社の初日/決定的瞬間/1.ソフトウェア/2.カードの読み取
り/3.さあさあご注目!/4.お金を動かす/5.詐欺/会社の命名
第4章 イノベーションスタック
イノベーションスタックの進化/スクエアのイノベーションスタック/やるしかない
第5章 ケリをつける
飢えて喰われる/ホットドッグとシャンパン/完璧な捕食動物/のぞき穴の外に巨大鼻孔/鼻からつま先まで
第6章 コピーのコピー
ほとんどあらゆるビジネス問題への答え/リリーフ役の起業家精神/起業家精神を教えるなんてそもそも無理なの?/カンパニーのできあがり/不安がいいときもある
第2部 専門家というウソ ︱ 先人のイノベーションスタックに学ぶ
第7章 レモネード
第8章 どこでも起業家
スペインのベンチャー資本/多少のタイムトラベル
第9章 バンク・オブ・イタリー
A・P・ジャンニーニ/大震災/バンク・オブ・イタリーのイノベーションスタック/わが初のメンター
第10章 蹴り出された少年
イケア/底辺への競争/蹴り出され閉め出され/イケアのイノベーションスタック/家具をまっとうに
第11章 雲の神さま
連邦航空会社保護制度/サウスウエスト航空のイノベーションスタック/楽しい!
第12章 いつ
マエストロの教え/「いつ」を学ぶ/時間を単純化/最初の失敗/欠けた要素/待つ方法/正しいタイミングは早すぎるように感じられる/可能性の地平線/イノベーションスタック駆動の変化/準備万端/成長するとき/長い待ち行列の危険性
第3部 イノベーションの物理学
第13章 スタックの攻撃
焦土/アマゾンの後で/攻撃の数学/イノベーションの絡み合い/テッドは死んだ/相手にするな/顧客に専念
第14 章 見えない軍団
アドプターとアダプター/新しいアイデアvs.改変したアイデア/知識の呪い/言語の重さ/フィードバックの失敗/「すげえ」の瞬間/イケア効果
第15章 低いけれど、最低ではない
低価格と最低価格/低価格vs.競合/なぜ低価格?/低価格と顧客の信頼/低価格と企業の方向性一致/低価格と競争優位/ちょっと待った、まだあるんです/いくつか反面教師を/どこまで下げる?
第16章 破壊の破壊
新たな死語/破壊=不可解/市場規模は?
第17章 どんな気分?
謙虚さ/恐怖/恐怖と学習/フィードバック/イノベーションの量/専門家というおとぎ話/頑固さ/完璧な問題
第18章 ゼロに逆戻り
大風呂敷/振り出しに戻る/新たな城壁都市を後に/小さく始めろ/読まなかったことにはできない
謝辞
訳者解説
ジム・マッケルビー
起業家、発明家、慈善家、アーティスト。スクエアの共同創設者の一人で、2010 年までは経営会議会長、現在もその理事を務める。2011 年には彼の印象的なカードリーダーの設計がニューヨーク近代美術館に収められた。また、オンラインコンテンツの経済を再構築するインヴィジビリティ社、IT 雇用に向けた研修を行う非営利団体ローンチコード、セントルイスの公共アクセス型ガラスアート加工スタジオのサードディグリーガラスファクトリーを創設している。2017 年にはセントルイス連邦準備銀行の独立ディレクターに任命されている。
山形 浩生
評論家・翻訳家。開発援助関連調査のかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野での翻訳、執筆活動を行う。著書に『新教養主義宣言』『要するに』『訳者解説』『プロトタイプシティ』(共著)ほか。訳書にチャールズ・ウィーラン『経済学をまる裸にする』『統計学をまる裸にする』『MONEY もう一度学ぶお金のしくみ』、ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』、ピケティ『21 世紀の資本』、クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』『さっさと不況を終わらせろ』、エアーズ『その数学が戦略を決める』、伊藤穣一/ハウ『9 プリンシンプルズ』、マシュー・ハインドマン『デジタルエコノミーの罠』ほか多数。