順風満帆に映る彼のラグビー人生は決して平たんなものではなかった。度重なる怪我、若手の台頭、その中で起こる日々の葛藤。
本書にはカーターの成功と失敗の歴史が刻まれている。それは、私が描いていた彼のイメージからはかい離していた。プレーから推測する彼のイメージは、もっと冷静沈着なものであったが、その仮説は間違っていた。
ダン・カーターは、我々と同じように苦悩・煩悶し勝利に一喜一憂する一人のラガーマンであり、誰も真似できないパフォーマンスを発揮する唯一無二のラグビープレーヤーである。どちらの切り口も彼を的確に表現している。(野澤武史氏の解説から引用)
序文
プロローグ 栄光と原点
第1章 暗くなるまで遊び続けた
第2章 ティーンエイジ・キック
ファイナルイヤー・ダイアリー 1
ロンドン、二〇一四年一一月四日
第3章 若き冒険の日々
第4章 カンタベリーの更衣室
ファイナルイヤー・ダイアリー 2
ロンドン、二〇一四年一一月一一日/オークランド、二〇一四年一二月一日
第5章 夢の舞台へ
第6章 どこにも通じていない道
ファイナルイヤー・ダイアリー 3
クライストチャーチ、二〇一五年一月二六日/クライストチャーチ、二〇一五年二月一五日/クライストチャーチ、二〇一五年二月二二日
第7章 大勝利とニアミス
第8章 ワールドカップの夢
ファイナルイヤー・ダイアリー 4
クライストチャーチ、二〇一五年五月二一日/オークランド、二〇一五年六月三日
第9章 痛い目に遭いながらビジネスを学ぶ
第10章 甘くて苦いサバティカル
ファイナルイヤー・ダイアリー 5
オークランド、二〇一五年七月六日
第11章 オールブラックスのつまずきと復活
第12章 二〇一一年二月二二日
ファイナルイヤー・ダイアリー 6
オークランド、二〇一五年八月五日
第13章 歴史がつくられるのをスタンドから見ていた
第14章 結婚式、ピーク、故障
ファイナルイヤー・ダイアリー 7
ウェリントン、二〇一五年八月三〇日
第15章 引退したい
第16章 パトリオット・ゲーム
ファイナルイヤー・ダイアリー 8
スウォンジー、二〇一五年一〇月一二日/サリー、二〇一五年一〇月二六日
謝辞
解説
ダン・カーター
1982年3月5日、ニュージーランド、クライストチャーチ郊外のサウスブリッジ生まれ。世界最高のラグビー選手との呼び声が高い。
ラグビーの国際試合(テストマッチ)での個人通算ポイント数歴代最多記録保持者。ラグビーニュージーランド代表「オールブラックス」でのスタンドオフとしての最多出場記録保持者。オールブラックスとして通算112試合に出場、1598得点を記録。W杯決勝でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた2015年を含め、ワールドラグビーが認定する世界年間最優秀選手を3度受賞。