成長至上主義のチームデザイン ――成長こそが慶應の野球

森林貴彦/著

出版年月:

ページ数:262

ISBN:9784491059365

1,980 円(税込)

勝つことだけを価値とする部活動に未来はない。
選手の人間的成長のためにこそ、これからの部活動の意義がある。
成長至上主義の部活動の提案ーー。


2023年夏、慶應義塾高校が107年ぶりの日本一。
全国の強豪がひしめく夏の甲子園で、なぜ勝てたのか?
そこには、「人間的成長」と「勝利」の両立を目指す価値観と、科学的根拠に基づいたチーム設計があった。
本書は、有言実行を果たした慶應義塾高校の森林貴彦監督が語る「成長する組織」の全貌である。
スポーツにとどまらず、教育、ビジネスに関わるすべての人にとって必読の一冊。

成長至上主義――人間的成長と勝利を両立させることが「価値」である
「監督のおかげ」は必要ない――人は自ら育つ。任せて、信じ、待ち、許す。
Thinking Baseball――自ら考え、工夫し、失敗から学ぶ。
Enjoy Baseball――地道な努力の先に「愉しむ」高レベルの野球。
「自分ごと」思考――他責にせず、チームと個人を強くする。
フラットな組織――監督と選手が”対等”な関係性。
多様性を力に――100人越えの部員が刺激し合う学びの場。
科学的根拠に基づく組織論――データが導く成長。
2:6:2の法則――チーム全体の底上げとモチベーションの向上。
「常識を覆す」高校野球――未来を見据えた変革への挑戦。

本書では、森林監督の哲学だけでなく、慶應義塾高校野球部を支える多彩な専門家たちの知見も収録。成長志向の分業制チームの全貌を明らかにします。

  • 逆境で笑顔になる――メンタルトレーニング
     試合のプレッシャーを力に変える思考法と心の鍛え方。
     メンタルコーチ 吉岡眞司 氏

  • 科学的根拠に基づく――フィジカルトレーニング
     データと理論が裏付ける、効率的かつ安全な体づくり。
     スポーツサイエンティスト 稲見崇孝 氏

  • 成長期の体を第一に――医療ケア
     ケガの予防と早期回復で、選手身体を守るサポート体制。
     スポーツドクター 米川正悟 氏

  • 考え、楽しむ――学生コーチの挑戦
     選手と同じ目線で考え、現場を盛り上げる若き指導者たち。
     内野コーチ 杉岡壮将 氏/打撃コーチ 斎藤 俊 氏

はじめに 2
第1章 常識を覆す 新しいチームづくり 9
第2章 逆境で笑顔になる メンタルトレーニング 41
 [コーチのことば] メンタルコーチ 吉岡眞司 先生
第3章 科学的根拠に基づいた フィジカルトレーニング 91
 [コーチのことば] スポーツサイエンティスト 稲見崇孝 先生
第4章 成長期の体を第一に考える 医療ケア 151
 [ドクターのことば]スポーツドクター 米川正悟 先生
第5章 考え楽しむ学生コーチ 185
 [コーチのことば]内野コーチ 杉岡壮将 コーチ
 [コーチのことば]打撃コーチ 斎藤 俊 コーチ
第6章 成長至上主義の部活動の提案 213
おわりに  254

森林貴彦(もりばやし たかひこ)
慶應義塾高校野球部監督。慶應義塾幼稚舎教諭。
1973年生まれ。慶應義塾大学卒。大学では慶應義塾高校の大学生コーチを務める。卒業後、NTT勤務を経て、指導者を志し筑波大学大学院にてコーチングを学ぶ。慶應義塾幼稚舎教員をしながら、慶應義塾高校野球部コーチ、助監督を経て、2015年8月から同校監督に就任。2018年春、9年ぶりにセンバツ出場、同年夏10年ぶりに甲子園(夏)出場。2023年春、センバツ出場、同年夏に107年ぶりとなる甲子園(夏)の優勝を果たす。