横浜F・マリノス、セルティックなどを
栄光に導いた名将の一貫した勝利の哲学
2015年アジアカップで母国のオーストラリア代表を監督として率いて優勝を果たしたアンジェ・ポステコグルー。2018年からは横浜F・マリノスの監督に就任し、2年目となった2019シーズンにはチームを15年ぶりのJ1優勝に導いた。超攻撃的なサッカースタイルは当時、日本サッカー界に大きなセンセーションを巻き起こした。2021/22シーズンからは、スコットランドの強豪セルティックの監督に就任。古橋亨梧や旗手怜央、前田大然など日本人選手を重用し、2年連続でリーグ制覇を成し遂げる。2023/24シーズンからトッテナム・ホットスパーFCの指揮官に就任し、第10節まで無敗を誇り首位を走った。ポステコグルーが繰り出す戦術は〝アンジェボール〟と称され、新天地でも徐々に浸透している。
これほどまでの成功を誰が想像していただろうか。本書では、セルティック時代からよく知る記者が、故郷オーストラリアや日本など周辺取材をして、幼き移民の少年時代からプレミアの舞台に羽ばたくまでの軌跡を描き、ポステコグルー本人の人物像や、一貫してブレない指導哲学に迫っている。
<目次>
はじめに
第1章 移民の子、道を切り拓く
第2章 キャプテン時代
第3章 痛みを糧に――揺るぎない攻撃的スタイル
第4章 監督就任
第5章 世界に挑む
第6章 荒野を彷徨う
第7章 時代の先を行く
第8章 要求は明確
第9章 進め、オーストラリア
第10章 監督業は孤独だが、仲間がいる
第11章 日本人選手との出会い
第12章 セルティックとの恋物語
第13章 進化するアンジェボール
謝辞
解説
【著者プロフィール】
ジョン・グリーチャン
英スコットランドのエディンバラを拠点とするスポーツ記者兼コミュニケーション・コサルタント。スコットランドとイングランドで30年のキャリアがある。このうち20年はタブロイド紙『スコティッシュ・デーリー・メール』で主任スポーツ記者を務め、アマチュアサッカーからオリンピック、ラグビー・ワールドカップ、ゴルフの全英オープン選手権を担当。2023年のスコティッシュ・プレス・アワードでは、年間最優秀コラムニスト、年間最優秀インタビュアーの最終候補に入った。スポーツに対する愛は指導や戦術にも及び、欧州サッカー連盟(UEFA)のC級ライセンスやスコットランドサッカー協会(SFA)のタレントIDアワード、FCバルセロナが運営するバルサ・イノベーション大学の上級戦術分析プログラムを修了。
【訳者プロフィール】
高取 芳彦
法政大学人間環境学部卒業。書籍翻訳のほか、ニュース記事の翻訳・編集を手がける。訳書に『FCバルセロナ 常勝の組織学』、『ビジネス・フォー・パンクス』、『WE ARE DATA アルゴリズムが「私」を決める』(共に日経BP)、『サイバー完全兵器』(朝日新聞出版)、『絶滅動物は甦らせるべきか?』(双葉社)などがある。