各国の代表チームを率いてきた名将が明かす、チームづくりの秘訣!
すべてのリーダー、ビジネスマンが読むべき本!
「『ハードワーク』『勝つことへのこだわり』『準備の大切さ』彼のリーダーシップ論から私も多くの刺激を受けた!」
――持田 昌典 氏 (ゴールドマン・サックス証券社長)
オーストラリア、南アフリカ、日本、イングランド、そして再びオーストラリア……。ラグビー史上最高の名将、エディー・ジョーンズがチームづくりの秘訣、そして、リーダーシップについて初めて語り尽くす!
本書は、極限のパフォーマンスを目指して日々努力を続ける組織の中において、通常は秘密のベールに包まれているリーダーシップについて書かれた本である。ラグビーのイングランド代表チームのヘッドコーチとしての私の仕事を基にして構成されてはいるが、スポーツやビジネス、教育、芸術、政治、メディアをはじめとする幅広い分野で、様々な課題や挑戦に取り組んでいるあらゆる組織に関わる人たちにぜひ読んでいただきたい。私がこの4半世紀に他のチームで学んできた教訓を、読者に楽しんでもらえることを心から願っている。これらの学びや教訓が読者の仕事や生活に役立つものになれば、これほど嬉しいことはない。 (「プロローグ」より抜粋)
「リーダーシップの肝は、人の心を動かすことにある。突き詰めれば、リーダーの仕事とは、人の心を鍛えて行動を変えさせることにある!」
――エディー・ジョーンズ
日本の読者の皆様へ
プロローグ ベールの内側
ステージ1 ビジョン
第1章 ビジョンを描く
――最初に最終目標をイメージする
ワールドカップ日本大会決勝/ユニクロの柳井正から学んだこと/リーダーシップの中心にあるのは勇気
第2章 派手なプレーより性格
――適材な人材を周りに配置する
気の合う人だけでは組織は発展しない/サブリーダーはリーダーとは違うタイプを選ぶ/チームを団結させるグルー・プレーヤー
第3章 明快さこそが切り札
――すべてを評価し、そのうえで明快さを示す
ネガティブな感情は選手に影響させないようにする/リーダーはポイントを絞り込めなければいけない/人の心を鍛えて行動を変えさせる
第4章 知識でチームを結束させる
――己を知り、選手を知る
自分を振り返る習慣を持つ/トラックの荷台に手榴弾を積んではいけない/チームに必要な3つの価値観
ステージ2 構築
第5章 グロース・マンデー
――好奇心を持ち、新たなアイデアを受け入れる
効果を上げる月曜日の過ごし方/アイデアはまず少人数に話す/優れたチームには2、3人のリーダーがいる
第6章 規律ある思考と精神的成長の道のり
――偶然がもたらす成功に頼らない
読書には常に新しい学びがある/扱いが難しい選手の育て方/安定と破壊のバランスをとる
第7章 対立があるのは健全なこと
――すべてがうまくいっていそうなときこそ問題点を探す
円満な会議では成功できない/ペップ・グアルディオラからの教え/日本代表を強くした対立の意識
第8章 アクセス・ポイントを見つける
――感情的なつながりは個人の目標達成を助ける
五郎丸歩のアクセス・ポイント/廣瀬俊朗をキャプテンにした理由/コミュニケーションが組織を強くする
ステージ3 実験
第9章 常に見直す
――感情に流されず、計画に従って規律を守る
雑音に耳を貸さず自分を信じる/選手自身に解決策を見つけさせる/敗北にはきちんと向き合う
第10章 3%の違い
――周りが言うほど良くも悪くもない
逆境に対して見られる3種類の人間/本質的な価値を強めて思考を成長させる/プレッシャー下でパフォーマンスを発揮する方法
第11章 人の意見を聞く
――他人の意見に耳を傾け、柔軟に学ぶ
孤独を楽しむ/他業種のリーダーと交流を持つ/一定の期間であれば人間は変えられる
第12章 徹底的なレビュー
――個人、プロセス、組織の分析が強いチームをつくる
ひとりのリーダーよりリーダーグループを信頼する/チームの成長のためにはベテラン選手も外す/日本代表に欠かせなかった女性心理療法士の存在
ステージ4 勝利(失敗を乗り越える)
第13章 学習の科学
――頭のいい人からアイデアを拝借する
教育界から教え方を学ぶ/過去に成功した新しいやり方を見つける/ゴールドマン・サックスの持田昌典から学んだこと
第14章 レッドチーム演習を使って変革する
――勇気があれば再び変われる
いつでも危機に対応できる準備をする/常に平静さを保ち、オープンな姿勢でいる/リーダーシップが組織の特徴を決める
第15章 全勝
――準備万端ならリーダーはチームを納得させられる
影響力のあるリーダーの見つけ方/野心を口にする勇気を持つ/自分の感情をコントロールする方法
第16章 相乗効果と多様性
――新鮮な視点を取り入れ、新たな相乗効果を生み出す
若手には明確な道筋を示す/多様性が新たなリーダーグループをつくる/今のコーチングは「やり方は教えない」
ステージ5 再構築
第17章 サイクルは回り続ける
――行動をマネジメントし、対立の原因を掘り下げ、
サイクル上に自分を位置づける 398
リーダーグループを流動性のある存在にする/「再構築」で日本代表が劇的に変わった/リーダーとして成長し、そして励み続ける
謝辞
訳者あとがき
著者
エディー・ジョーンズ Eddie Jones
ラグビーオーストラリア代表「ワラビーズ」のヘッドコーチ。
1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。現役時代はフッカー。オーストラリアのニューサウスウェールズ州の代表として活躍後、コーチに転身。東海大学監督、ブランビーズ(豪)のヘッドコーチを経て、2001年、オーストラリア代表ヘッドコーチに就任。2003年のワールドカップで準優勝を果たす。2007年、南アフリカ代表のテクニカルアドバイザーとしてワールドカップ優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のワールドカップでは、南アフリカ代表を撃破するなど歴史的3勝を挙げ、日本中にラグビーブームを巻き起こした。2015年よりイングランド代表ヘッドコーチを務め、2019年のワールドカップでは準優勝。2023年より現職。2012年東京サントリーサンゴリアスアドバイザー、ゴールドマン・サックス日本アドバイザリーボードも務める。
訳者
児島 修 Osamu Kojima
英日翻訳者。訳書に『ダン・カーター 自伝』『ペドロ・マルティネス自伝』『ジェンソン・バトン自伝 ライフ・トゥ・ザ・リミット』(以上、東洋館出版社)、『SEVENS HEAVEN フィジー・セブンズの奇跡』(辰巳出版)など。