コンカレントトレーニング -最高のパフォーマンスを引き出す「トレーニング順序」の最適解-

モリーズ・シューマン/著 ベント・ロンネスタッド/著 稲見 崇孝/監修, 翻訳 峯田 晋史郎/翻訳 山岸 卓樹/翻訳 山口 翔大/翻訳

出版年月:

ページ数:544

ISBN:9784491041575

6,050 円(税込)

SDエイバル武藤嘉紀選手絶賛!

「粘り強さ」「力強さ」を同時に高めたいアスリート・指導者へ

「最高のパフォーマンスを引き出すための最新の科学的エビデンスが満載です! 」


持久性トレーニングとレジスタンストレーニングの最適な組み合わせ方がこの1冊に。

スポーツ指導者・専門家向けの新たな「バイブル」誕生!


本書は、トレーニングにおける最新研究をもとに、体力とスポーツパフォーマンスの向上に関するコンカレントトレーニングの概念について明確にした内容となっています。持久性トレーニングとレジスタンストレーニングで構成するコンカレントトレーニングについての基本的な解説とともに、持久性トレーニング、レジスタンストレーニングをどのように構成するべきか、相互干渉作用はどのような際に起こるのかについて述べられています。また、コンカレントトレーニングのための栄養学的な考察、各年代におけるコンカレントトレーニングの影響、サイクリスト、ランナー、水泳選手、サッカーなどのパフォーマンスに対するコンカレントトレーニングの効果を最新の知見をもとに紹介しています。スポーツ指導者・専門家向けの新たな「バイブル」とも言える内容です。

Part 1

Part1では、コンカレントトレーニングを構成する持久性トレーニング・レジスタンストレーニングに対するヒトの適応反応を分子生理学及び神経学の視点から最新エビデンスをもとに包括的に取り扱っています。スポーツ指導者・専門家がアスリートの競技力向上のためにいかにトレーニングプログラムを構成すべきかのヒントが大いに散りばめられています。現在実践しているトレーニングプログラムや今後のトレーニング計画に対して科学的な裏付けを与えてくれます。

 

Part 2

Part2では、コンカレントトレーニングで最大の特徴となる相互干渉作用の急性及び慢性的な反応のメカニズムを生理学的な観点から詳細に説明しています。コンカレントトレーニングの「良い面」と「悪い面」について、学術論文を基に俯瞰的に説明することで、読む人が新たな気づきを得られる構成となっています。コンカレントトレーニングを行うことで身体の中で何が起きているのか、より詳しく知りたい方は必見です。

 

Part 3

Part3では、スポーツパフォーマンスを向上し、成功へと導くための秘訣を実践的な視点から紐解いています。コンカレントトレーニングをどのように計画するべきか?トレーニングの実施順序はどのように決めればいいのか?トレーニングセッション間にはどの程度の回復時間が必要か?トレーニングに対する適応を最適化するための栄養及びリカバリー戦略は何か?これらの現場に即した疑問に答えるべく設けられたパートです。

 

Part 4

コンカレントトレーニングは筋力・持久力の向上や、生活習慣病の予防、高齢者の生活の質を維持・向上するのに大きく貢献します。しかし、年代や性別ごとにトレーニング量や強度、順序などを変化させ、最適なものにしなくてはいけません。Part4では、各年代の目標達成のために最適なコンカレントトレーニングは何か?また、年代・性別ごとに注意すべき点は何か?という疑問にお答えしています。健康維持増進のためにトレーニングされる方にとっても必見のPartとなっています。

 

Part 5

競技種目ごとに求められる筋力や持久力は大きく異なります。そのため、競技種目ごとに行うべきコンカレントトレーニングの内容も大きく異なります。Part5では、どのような量や強度、トレーニング順序が望ましいか?実際の競技パフォーマンス向上に繋がるのか?ということに対し、具体的なトレーニングプログラムを解説しています。指導に携わるコーチやトレーナー、アスリートが効果的なトレーニングプログラムを実践する上で心強い相棒になること間違いなしです。

1 持久性トレーニングとレジスタンストレーニングの「科学」に関する研究小史

PART1 持久性トレーニングとレジスタンストレーニング
2 身体運動における機能ゲノム
3 持久性トレーニングに対する分子・生理学的適応
4 持久性トレーニングに対する神経系の適応
5 レジスタンストレーニングに対する分子・生理学的適応
6 レジスタンストレーニングに対する神経系の適応

PART2 相互干渉作用
7 相互干渉作用を理解するためのメカニズム
8 コンカレントトレーニングに対する分子適応
9 持久性、レジスタンス、コンカレントトレーニングがサイトカインと炎症に与える影響 
10 持久性運動がその後の力発揮能力に及ぼす急性の影響
11 レジスタンス運動がその後の持久性パフォーマンスに及ぼす急性の影響
12 持久性トレーニングが筋肥大に及ぼす長期的な影響

PART3 コンカレントトレーニングにおける方法論的考察
13 コンカレントトレーニングにおける方法論的考察
14 コンカレントトレーニングの様式が生理学的適応及びパフォーマンスに及ぼす影響 
15 コンカレントトレーニングに対する適応を最適化するためのリカバリー戦略
16 コンカレントトレーニングのための栄養学的考察

PART4 各年代のコンカレントトレーニング
17 児童及び青年に対するコンカレントトレーニング 
18 高齢者に対するコンカレントトレーニング
19 コンカレントトレーニングが身体組成、健康に与える影響
20 コンカレントトレーニングにおける性差

PART5 アスリートのパフォーマンス向上のためのコンカレントトレーニング
21 レジスタンストレーニングが持久性パフォーマンスに与える長期効果
22 サイクリストに対するレジスタンストレーニングの効果
23 ランナーに対するレジスタンストレーニングの効果
24 クロスカントリースキーヤーに対するレジスタンストレーニングの効果
25 水泳選手に対するレジスタンストレーニングの効果
26 チームスポーツのパフォーマンスに対するコンカレントトレーニングの効果
27 サッカーのパフォーマンスに対するコンカレントトレーニングの効果

モリーズ・シューマン

ドイツ体育大学ケルン分子細胞スポーツ医学学科グループ長。
2009年にケムニッツェ工科大学(ドイツ)及びグロスターシャー大学(イギリス)を卒業。2011年よりフィンランドのユヴァスキュラ大学で身体活動の生物学を専攻し、修士・博士課程を経て2016年に博士号を取得する。2016年より現職。2019年より中国上海交通大学名誉研究員を務める。


ベント・ロンネスタッド

ノルウェー応用科学大学運動生理学教授。ノルウェーオリンピック連盟運動生理学コンサルタント。リレハンメル大学にて運動生理学を学び、サイクリストのパフォーマンス関する研究で博士号を取得。テレマーク大学運動生理学助授、リレハンメル大学運動生理学准教授を経て、2016年より現職。