世界サッカーのテクノロジー活用の進化に日本は追いついているか
スポーツを行うとき(Do)、また見るとき(See)においてテクノロジーが活用されるようになってから20年余りが経過した。その間にスポーツにおけるデータ分析はどう進化を遂げたのか。本書では元データスタジアム社長の著者が、欧米最先端のトレンドを分析し、日本におけるデータ活用の現状と課題を明らかにする。
●偶然性の多いサッカーにデータ分析は相性が良いのか?
●野球を大きく進歩させたセイバーメトリクスとは何か?
●プレーの自動抽出を実現するAIシステムの活用
●得点力アップと戦術評価に生かせる新しい指標
●クラブマネジメントとデータビジネスの密接な関係
敵を知り、己を知り、データを識る
世界のサッカー界においてはもはやデータ取得は目標ではない。データを読み解く力、伝える力に長けた人材育成と組織改革に力を入れている。
「(サッカーにおいて)トレーニングさえ行えばプレーが上達する時代は終わりを迎えた」
(セルジオ・フェルナンデス氏 デポルティーボ・アラベス スポーツディレクター)
「良いチームは偶然性をシステマチックに最小化することができるチームのことだ」
(クリス・アンダーソン氏 『サッカーデータ革命』著者)
昨年8月の引退会見で内田篤人選手が「世界と日本との差は広がった」と答えたことが大きな話題となった。日本サッカー界は内田氏の言葉を真摯に受け止める必要がある。
日本に必要なのはテクノロジーの導入ではない。アナリティックマインドを持った人材の育成なのである。