将棋こそ、未来の一流を創る最強の教育だ――
礼儀、集中力、思いやり、コミュニケーション力。
将棋に学べるのは、子供達が未来を生き抜く力!
日本将棋連盟教育アドバイザーの著者の対談相手は
将棋界の誇りを背負う3人の永世名人。
羽生善治、谷川浩司、森内俊之。
今は父親でもある三人が、
将棋での教育論と子供達への想いを語ってくれた。
天才たちはどう育ったのか――
父親としての素顔は――
将棋を通じてどのような力が伸ばせるか――
これからの子どもたちに必要な能力とは――
未来の創り手となるために求められる能力を、
『日本の伝統文化・将棋』で育んでいく。
◆第1章 谷川浩司
本番も普段と同じように臨むために一つひとつの所作を大切にする
子どものときの経験がプロになっていきる
「練習のときは自分が一番下手試合のときは自分が一番うまい」と思いなさい
将棋を始めることで我慢ができるようになった
無駄だと思われるようなことをやらないと自分のものにはならない
感想戦を行うのは、負けた側が気持ちの整理をつけるため
一流の棋士は「負けました」をきちんと言える
将棋が指せるだけでありがたい
「楽しい」「嬉しい」「悔しい」の三つを大切に
◇column1 一歩を続ける人に
◆第2章 森内俊之
両親は温かく見守り、いい面を伸ばしてくれた
すぐにできなくても、子どもはいつの間にか育っていく
将棋では感情のコントロールも大切
自信の持てるものを見つけて進んでいってほしい
将棋に救われたという気持ちがある
失敗したことを振り返える訓練で力が発揮できるようになる
強さだけを追い求めず、将棋で心を育てていきたい
コンピュータは便利だが、大事なことは効率だけではない
どれだけ痛い負けをしたかが棋士にとっての財産になる
このまま終わってしまうかもと思ったこともあった
どんな局面でも全力をつくし楽しむことが重要
優秀なライバルに引き上げてもらった
好きなものを見つけて自信をつけてほしい
◇column2 お別れの将棋駒
◆第3章 羽生善治
向上心や目標があるからこそ人はプレッシャーを感じる
いま失敗することが未来の勝ちにつながる
将棋を研究するというのはうまくいっていない場面を考えていくということ
振り返って忘れることが次に進むコツ
谷川さんは〝偉大な存在〟森内さんは〝一つひとつ積み上げる強さがある〟
大変なことがあっても続けられる道を選ぶ
子どもに才能があっても親にできるのは見守り続けること
将棋には日本人のアイデンティティが詰まっている
人工知能がいかに進歩しても大切なことは変わらない
先が読めない未来を楽しんでほしい
◇column3 保護者も成長する無言の声援
◆第4章 安次嶺隆幸
「心を折りたたむ習慣」で子どもを伸ばす
将棋で心からの挨拶を学ぶ
「空気のドーナツ」で集中力のトレーニング
読みと人生に無駄はない
「負けました」が折れない心を育てる
将棋が育む優しい心
新しい時代に求められるコミュニケーション能力とは
将棋の力で世界をひとつにしたい
小さな一歩でつなぐ将棋の伝統
将棋の心が子どもの未来を照らす
安次嶺隆幸
1962年埼玉県所沢市生まれ。明星大学人文学部心理・教育学科教育学専修卒。1984年東京・私立暁星小学校に着任。公益社団法人日本将棋連盟・学校教育アドバイザー、私学教育研究会(あいすの会)主宰、若手教育格言サークル「あったか会」代表、将棋ペンクラブ会員。フューチャー・ドリーム☆子どもサポート研究所や明日の教室が主催する「教師みらいプロジェクト学級づくりパワーアップセミナー」等、全国各地で講演。